人民元切り下げ後のマーケットを考える。

各社から、人民元の切り下げとその後の影響について、レポート類が出揃ってきたが、今回の措置が今後どのような展開を生み出すのか、読みきれているものは少ない。


まず、切り下げ後にIMFや、先日NY連銀ダドレー総裁が「景気減速しているのであれば、適切な措置」と発言しているところを見ると、事前に米国側に通告等があったように見える。もしくは双方が協議して決めたのかもしれない。

こうした決定があるということは、米国が9月に利上げするということが決定的であるからであろう。ECBが量的緩和政策を決める1週間前にスイス中銀が1.20のペッグを撤回したが、今回も同じような経緯であると思われる。



利上げがあるということは、ドルが上昇して不思議ではないはずだが、マーケットはドル売りに傾いている。これは、米国のりあげが既に織り込まれていること、そして、一回利上げしたからといって、その後の利上げ路線が緩慢であることを示しているのではないだろうか。

または、米利上げが「無理筋」であって、無理に利上げすることで株価に悪影響を及ぼしたり、新興国経済にダメージを与え、それがリスクオフ状況を作り出すことを市場が先読みしているからではないだろうか。

この数日の動きは、非常に読み難く、不安定である。大きな変動が、この前に待っているのではないだろうか。